
今日紹介するのは、この本!
これから学級担任として子どもたちを導く先生は、絶対に読むべき1冊です。
コーチングの神様が教える 「できる人」の法則 マーシャル・ゴールドスミス 著
焚き火を囲んで

みなさん、こんにちは。タナ先生です。
このブログをいつも読んでくださる先生方、お父さん、お母さん、本当にありがとうございます。

私もこの半年間、タナ先生の紹介する本を読み漁って、少しずつ「できる教師」に近づけている気がします。最近では、授業でも子どもたちの反応が良くなって、自信がついてきたんです!

お、ワカバ先生、いい顔をしているね。自信を持つのは素晴らしいことだ。
……でもね、実はここからが「本当の正念場」なんだよ。

えっ? せっかく「できるようになった」のに、ここからが大変なんですか?

今日紹介する本は、マーシャル・ゴールドスミス著『コーチングの神様が教える 「できる人」の法則』。
この本の核心は、実に残酷で、かつ希望に満ちている。
「ここ(今)まで君を連れてきた『強み』は、あそこ(さらなる高み)へ連れて行く『弱み』に変わる」というメッセージなんだ。

これまでの成功が、これからの邪魔になる……?
それって、どういうことですか?

今日は、この「できる人の罠」を、キャンプの「ベテランが陥るルートミスの罠」に例えて、徹底的に深掘りしていこう。
1. 理論の核心:なぜ「優秀な人」ほど変われないのか?

まず、ゴールドスミス博士が指摘する「成功者のバイアス」について話そう。
優秀な先生や親ほど、自分のやり方で成果を出してきた。すると、脳の中にこんな回路ができあがる。
- 「私は成功した」(自信)
- 「私は今のやり方をしたから、成功した」(因果関係の誤認)
- 「だから、私のやり方は常に正しい」(変化への拒絶)

あ……。それ、職員室のベテランの先生にたまに感じる空気かもしれません。「俺の若い頃はこのやり方で子どもを動かしたんだ!」っていう。

そう。でも実は、「そのやり方をした『おかげで』成功した」のではなく、「そのやり方に問題があった『にもかかわらず』成功した」だけかもしれないんだ。
これを博士は「成功の迷信」と呼んでいる。キャンプで言えば、10年前に買った頑丈なテントに固執して、今のゲリラ豪雨には対応できないのに「このテントは今まで一度も浸水したことがないから大丈夫だ!」と言い張っている状態だね。
2. 教職員・親が陥りやすい「20の有害な癖」

ゴールドスミス博士は、優秀な人が無意識にやってしまう「20の有害な癖」を挙げている。特に学校や家庭で「あるある」なものをピックアップしてみよう。
① 「付加価値を加えすぎる」の癖

これ、どういう意味ですか? 良いことのように聞こえますけど。

例えば、若手の先生が「こんな授業案を考えました!」と持ってきたとする。
それに対して、「いいじゃないか。でも、ここをこう変えると、もっと良くなるぞ」と言ってしまうことだ。

えっ、アドバイスですよね? ダメなんですか?

博士はこう言う。「内容は5%良くなるかもしれないが、相手のやる気は50%削がれる」。
「アドバイスをした瞬間」に、そのアイデアは「若手のもの」から「あなたのもの」に変わってしまうんだ。子どもに対しても同じだね。「お母さんの言う通りにすればもっと良くなる」と言った瞬間、子どもの主体性は死ぬ。
② 「評価を下す」の癖

相手の意見に対して、反射的に「それは正しい」「それは間違っている」と評価を下してしまう癖だ。
「先生、あのね」と話しに来た子に、「それはあなたが悪かったね」と結論を急ぐ。これは相手を助けているようでいて、実は対話を遮断しているんだ。
③ 「勝ちすぎる」の癖

議論で勝つこと、自分が正しいと証明することに執着する。
保護者対応や生徒指導で、「論破」して勝ったとしても、信頼関係を失ったら教師としては「大敗」なんだよ。
「できる人」を阻む20の有害な癖 一覧
| 番号 | 癖の名前 | 学校・家庭での具体例 |
| 1 | 勝ちすぎる | 子どもや同僚との議論で、正論でねじ伏せてしまう。 |
| 2 | 付加価値を加えすぎる | 相手のアイデアに「もっとこうすれば」と一言添えてしまう。 |
| 3 | 評価を下す | 相談に対して、共感する前に「良い・悪い」を判定する。 |
| 4 | 人を傷つけるコメント | 嫌味や皮肉を言って、自分の頭の良さを誇示する。 |
| 5 | 「いや」「しかし」で始める | 相手の意見を肯定せず、否定から入る。 |
| 6 | 輝きたいという欲求 | 常に自分が注目を浴びていないと気が済まない。 |
| 7 | 怒っている時に話す | 感情に任せて指導(怒鳴る)をしてしまう。 |
| 8 | 否定、またはネガティブな思考 | 「どうせ無理だ」という空気を撒き散らす。 |
| 9 | 情報を教えない | 自分の優位性を保つために、ノウハウを独り占めする。 |
| 10 | 適切に認めない | 相手の貢献を無視し、手柄を自分にする。 |
| 11 | 他人の手柄を横取りする | 部下や子どもの成果を「自分の指導のおかげ」と言う。 |
| 12 | 言い訳をする | 自分のミスを環境や他人のせいにする。 |
| 13 | 過去に固執する | 「昔は良かった」「前はこうだった」ばかり言う。 |
| 14 | えこひいきをする | お気に入りの生徒や子どもだけを優遇する。 |
| 15 | 謝罪を拒む | 自分が間違っていても、子どもに謝らない。 |
| 16 | 話を聴かない | 相手が話している最中に、次に言うことを考えている。 |
| 17 | 感謝の気持ちを表さない | 「やって当然」と思い、感謝の言葉を忘れる。 |
| 18 | メッセンジャーを攻撃する | 耳の痛い進言をしてくれた同僚を疎ましく思う。 |
| 19 | 責任転嫁をする | 自分の責任を棚に上げて、誰かを犯人にする。 |
| 20 | 「自分勝手」すぎる | 自分のエゴを満足させることを優先する。 |
3. キャンプ例:ベテランキャンパーの「地図」は更新されているか?

ここでキャンプの例えにいこう。
ワカバ先生、キャンプ初心者の頃って、すごく慎重に地図を見たり、周りのアドバイスを聞いたりしていたよね?

はい! 失敗が怖かったので、何でも「教えてください!」という姿勢でした。

ところが、数年経って「ベテラン」と呼ばれるようになると、どうなるか。
「地図を見なくなる」んだ。「この道は前も通ったから大丈夫」「この天候ならこの装備で十分だ」と。
① 過去の成功が「盲点」を作る

かつてその「古い地図」で無事にキャンプ場に辿り着いたという成功体験が、今の地形(時代や子どもの気質の変化)を見えなくさせる。
「去年はこの指導でクラスがまとまったから、今年もこれでいける」……これが一番危険な遭難フラグなんだよ。
② 新しい装備(手法)を馬鹿にする

「最近の若い奴は、そんな便利な道具(ICTや新しい理論)に頼って……。キャンプの本質は不便を楽しむことだ!」と、自分をアップデートしない理由を正当化する。
これは、自分のプライドを守るために、子どもたちの安全や成長を犠牲にしているのと同じなんだ。
4. 解決策:コーチングの神様が授ける「魔法の4ステップ」

タナ先生、怖くなってきました……。私も気づかないうちに、そんな「有害な癖」にまみれているかもしれません。どうすれば、この癖から脱却できるんでしょうか?

ゴールドスミス博士が勧めるステップは、驚くほどシンプルだ。でも、やるのは驚くほど難しい。
ステップ1:フィードバックを受ける(耳を塞がない)
自分の癖は、自分では見えない。だから、周りに聞くしかないんだ。
「私が直すべき癖は何かな?」と同僚や、時には子どもたちに勇気を持って聞いてみる。
ステップ2:謝罪する(「ごめんなさい」の魔力)
自分の癖を指摘されたら、言い訳をせずにただ謝る。
「今まで、みんなの意見に『しかし』とばかり言って、やる気を削いでしまっていたね。ごめんなさい。これからは気をつけるよ」。
この謝罪こそが、組織や関係をリセットする最強のツールだと博士は断言している。
ステップ3:「ありがとう」だけを言う
誰かにアドバイスをもらったり、指摘を受けたりしたとき、反射的に言い訳をしたくなる。そこをぐっと堪えて、「教えてくれて、ありがとう」。これ以外の言葉を封印する。
ステップ4:フィードフォワードの実践
これがゴールドスミス博士の代名詞だ。「フィードバック」は過去を振り返るけど、「フィードフォワード」は未来を語る。
やり方は簡単だ。
- 「これから〇〇を改善したいと思っている(例:話を最後まで聴くようにしたい)」と宣言する。
- 「そのために、具体的なアイデアを2つ教えてほしい」と依頼する。
- 「ありがとう」と言ってメモする。
- 批判は一切しない。

「未来のためにどうすればいいか」だけを話すんですね。それなら、過去を責められる恐怖がないから、聞きやすいし言いやすいです!
5. 実践!明日から「素晴らしい聞き手」になるためのガイド

タナ先生。20の癖の中でも、私が一番ドキッとしたのは「話を聴かない」でした。つい「次に何を言おうか」と考えてしまって……。

それは、自分を「賢く見せたい」というエゴが働いている証拠だね。キャンプで言えば、相手が焚き火の火をじっと見つめているのに、自分だけ「次はどの薪をくべようか」とガサガサ動いているようなものだ。
ゴールドスミス博士が勧める「究極の聞き方」を3つにまとめたよ。
- 「聴く」ことに100%集中する: 相手が話し終えるまで、頭の中の「回答準備ボタン」を押さない。
- 「話す前に一呼吸置く」: 相手が話し終わっても、すぐに口を開かない。数秒の沈黙は、相手への敬意になる。
- 「それは面白いね、もっと詳しく教えて」: 自分の意見を言う代わりに、相手の深掘りをする。
これだけで、あなたは「世界最高のコーチ」の第一歩を踏み出せるんだ。
6. タナ先生の「キャンプメモ」:本当の「できる人」とは

マーシャル・ゴールドスミスの『「できる人」の法則』を読み終えて、僕が一番大切だと思ったのは、「謙虚さの質が変わる」ということです。
若い頃の謙虚さは「何も知らないから、学ぶ」というものでした。
でも、経験を積んだ後の謙虚さは「自分は知っているという思い込みが、誰かを傷つけているかもしれないと自覚する」という、より深いものです。
キャンプの達人は、自分の腕を過信しません。
常に風の向きを読み、仲間の表情を確認し、必要であれば「ごめん、僕の判断ミスだった。場所を移動しよう」と潔く言える人です。
ワカバ先生。
あなたが「できる教師」になったその時、どうか思い出してほしい。
あなたの成功を支えてくれたその「自信」が、いつか誰かの声を遮る「壁」になっていないかを。
僕自身も、この「20の癖」を自分に問い続けながら、また新しい焚き火を熾していこうと思います。

タナ先生……。私、自信がついてきた今だからこそ、この本に出会えて良かったです。
「自分は正しい」という呪縛を捨てて、明日、子どもたちに「先生のこういうところ、直したほうがいいと思うところある?」って、まずは一人に聞いてみます。

その勇気こそが、君を「次なるステージ」へ連れて行ってくれる本当の翼だよ。
悩みは尽きませんが、まずは私たちが人生を楽しみましょう!それが、きっと明日のだれかの助けになることを信じて。
「いい先生」になるために、「いい人生」を!
30回にわたるご愛読、本当にありがとうございました!
今回紹介した【コーチングの神様が教える 「できる人」の法則 マーシャル・ゴールドスミス 著】は、こちらから購入可能です。
「最近、部下や子どもと壁を感じる」「さらなる飛躍を目指したい」というリーダーにとって、痛いけれど一生モノの薬になる一冊です。

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