
今日紹介するのは、この本!
これから学級担任として子どもたちを導く先生は、絶対に読むべき1冊です。
自由進度学習のつくり方 一斉授業のつくり方 樋口万太郎 著
学びのスタイルは「一斉」か「自由」か、それとも?

みなさん、こんにちは。タナ先生です。
キャンプ場で焚き火を眺めていると、ふと考えることがあります。
「全員で同じカレーを作るのも楽しいけれど、自分の好きなタイミングでコーヒーを淹れたり、本を読んだりする時間も同じくらい大切だよな」と。

タナ先生、それ、今の私の悩みそのものです!
学校現場では今、「個別最適な学び」のために『自由進度学習』が注目されていますよね。でも、いざやってみると「ほったらかし」にならないか不安で……。かといって『一斉授業』だけでは、置いていかれる子や物足りない子が出てしまう。
結局、どっちが「正解」なんでしょうか?

ワカバ先生、その「どっちが正解か」という問い自体が、実は大きな落とし穴なんだ。
今日紹介するのは、京都教育大学附属桃山小学校の樋口万太郎先生の著書、『自由進度学習のつくり方 一斉授業のつくり方』。
樋口先生の答えは明快だよ。「一斉授業と自由進度学習は、対立するものではなく、補完し合うもの」。
キャンプで言えば、全員で安全ルールを確認する「オリエンテーション(一斉)」と、それぞれのスキルに合わせて楽しむ「自由時間(自由進度)」をどう組み合わせるか、という話なんだ。
今日は、学びを最大化させる「授業の二刀流」について、キャンプの智慧とセットで深掘りしていこう!
1. 理論の核心:なぜ「一斉」と「自由」を混ぜるのか?

まず、本書の根底にある理論を整理しよう。樋口先生は、一斉授業の「効率性」と、自由進度学習の「主体性」を一つの単元の中でシームレスにつなぐことを提案しているんだ。
① 二項対立の罠を抜ける

多くの先生はこう考えがちだよね。
- 一斉授業 = 古い、教師主導、画一的
- 自由進度学習 = 新しい、子ども主導、個別最適
でも、樋口先生は「一斉授業の質が高まらなければ、自由進度学習は成功しない」と断言している。
② 目的は「子どもの自立」

どちらの手法をとるにせよ、最終的なゴールは「先生がいなくても、自分たちで学びを進められるようになること」。
自由進度学習は、そのための「練習の場」であり、一斉授業は、そのための「武器(見通しや技能)を授ける場」なんだ。
タナ先生のキャンプ例:
まったくのキャンプ初心者をいきなり雪山に放り出して「自由に過ごしていいよ」と言うのは、自由ではなく「放任(遭難)」だよね。
最初にテントの立て方や火の扱い方を一斉にレクチャーし(一斉授業)、基礎が身についたところで「さあ、自分たちでサイトを作ってみよう」と任せる(自由進度学習)。
この**「守・破・離」の流れ**こそが、樋口流ハイブリッドの神髄なんだ。
2. 「一斉授業」のつくり方:ベースキャンプの基礎を固める

「自由進度」を成功させるために、樋口先生が説く「一斉授業」のポイントは、子どもたちに「学びの地図」を持たせることなんだ。
① 単元の全体像を提示する

「今日はこれをやります」というブツ切れの授業ではなく、単元の最初で「この10時間で、私たちはここまで到達するよ」というゴールを共有する。
② 「共有」と「焦点化」

一斉授業の最大の強みは、クラス全員で「問い」を共有し、多様な考え方に触れること。
- 共通の足場かけ: 全員が共通してつまずきやすいポイントを、一斉授業で丁寧に扱う。
- ジャンプの種まき: 「これってどういうこと?」という深い問いを全員で共有し、探究心を刺激する。
③ 教師の「語り」の役割

なぜこの学習が必要なのか。この学びが社会とどうつながっているのか。
教師の熱量ある「語り」によって、子どもたちの心に火を灯す。これは一斉授業でしかできないことだよ。
3. 「自由進度学習」のつくり方:自由散策を支える設計図

さあ、基礎が固まったら、いよいよ子どもたちが自分で舵を取る「自由進度学習」だ。
ワカバ先生、ここで重要なのは、自由進度学習は「子どもが勝手にやる時間」ではなく、「教師が緻密に設計した環境の中で遊ぶ時間」だということなんだ。
① 学習計画表(マイプラン)の作成

子どもたちが、自分で「今日はどこまでやるか」「誰とやるか」を決められるようにする。
樋口先生のスタイルでは、タスクを「必須」と「選択」に分けたり、進捗を可視化したりする工夫が紹介されているよ。
② 評価の「即時性」

自由進度学習中、教師は教卓に座っている暇はない。
教室を回りながら、子どもたちのノートやタブレットを「見取り」、その場でフィードバックを与える。「あ、ここはこう考えてるんだね!」「この資料、使ってみたら?」という、ライブ感のある評価が学びを加速させるんだ。
③ 空間のユニバーサルデザイン

- 集中ゾーン: 一人で黙々と進めたい子のための場所。
- 対話ゾーン: 友達と相談しながら進めたい子のための場所。
- 先生相談コーナー: 行き詰まった子がヘルプを出せる場所。
タナ先生のキャンプ例:
ベースキャンプ(教室)の中に、調理場(相談)、寝室(集中)、焚き火台(交流)があるようなもの。
「どこで何をしてもいいけれど、今日のご飯(学習目標)だけは完成させようね」という緩やかな規律と圧倒的な自由の両立が、子どもたちを夢中にさせるんだ。
4. ハイブリッド授業の1サイクル:具体的な流れ

樋口先生が提案する、一般的な単元構成のイメージをテーブルにまとめてみたよ。
| 段階 | 形式 | キャンプに例えると | 学習の内容 |
| 導入(1〜2時間) | 一斉授業 | オリエンテーション | 単元のゴール共有、学習計画の作成、基本技能の習得。 |
| 展開(中盤) | 自由進度学習 | 自由散策・調理 | 自分のペースで問題を解く、実験する、資料をまとめる。 |
| 交流(適宜) | 一斉授業 | 焚き火を囲む共有会 | 途中の気づきや、みんなが共通してつまずいたポイントの共有。 |
| 終末(最後) | 一斉授業 | キャンプの振り返り | 単元全体のまとめ、学んだことの価値付け、自己評価。 |

このように、「一斉」で始まり、「自由」で深め、「一斉」で閉じる。
このリズムがあるからこそ、どの子も安心して自分の足で歩き出せるんだ。
5. ワカバ先生の不安への処方箋

タナ先生、流れはわかりました。でも……。
自由進度学習中に「遊んでしまう子」や「何をしていいか分からず止まってしまう子」への対応はどうすればいいんでしょうか?

いい質問だね。樋口先生は、そこについても明確な処方箋を出しているよ。
① 「自立」の段階を認める

最初から全員が完璧に自学できるわけじゃない。
「今はまだ、先生のガイドが必要なレベルなんだね」と捉えて、その子たちにはミニレッスン(少人数の一斉指導)を行えばいい。無理に全員を同じ「自由」に放り込む必要はないんだ。
② 「つまずき」を共有の財産にする

止まってしまう子がいるのは、課題設定が難しすぎるか、目的が不明確だからかもしれない。
その「つまずき」をあえて全体で共有し、「どうすれば解決できるかな?」とクラス会議を開く。すると、それがクラス全体の「学び方」をアップデートするチャンスになるんだ。
③ 「振り返り」の質を高める

「今日は何ページ進んだ」という量ではなく、「今日は友達の考えを聞いて、自分の考えがどう変わったか」という変容を言語化させる。
樋口先生は、このリフレクション(振り返り)の充実こそが、自由進度学習の質を決定づけると説いているよ。
6. タナ先生の「キャンプメモ」:教師の役割のパラダイムシフト

樋口万太郎先生の『自由進度学習のつくり方 一斉授業のつくり方』を読み終えて、僕が一番強く感じたこと。
それは、「教師は『教える人』から、『学びをデザインし、伴走する人』へ脱皮しなきゃいけない」ということです。
一斉授業で知識を詰め込むのが「一合目から十合目までおんぶして登る登山」だとしたら、樋口流のハイブリッド授業は「登山口までバスで送り届け(一斉)、そこからは自分でルートを選んで登らせ、山頂で一緒に絶景を眺める(自由進度)」ようなものです。
キャンプで、子どもが初めて自分の力で火を熾せた瞬間の、あの輝くような瞳。
授業でも、同じことが起きるはずです。
「先生がいなくても、私たちは学べるんだ!」という自信こそが、彼らが予測困難な未来という荒野を生き抜くための、最大の「サバイバルキット」になるのですから。

タナ先生……私、「一斉」か「自由」かという形にこだわりすぎていました。
大事なのは、目の前の子どもたちが「自分で学びを進めている実感」を持てるかどうか、なんですね。
まずは次の単元で、最初の3時間を一斉でしっかり固めて、後半を自由進度にしてみる「プチ・ハイブリッド」から挑戦してみます!

最高だね! 失敗してもいいんだ。それも全部、クラスの「学びのネタ」になるんだから。
さあ、先生たち。
子どもたちと一緒に、新しい学びの冒険に出かけましょう!
悩みは尽きませんが、まずは私たちが人生を楽しみましょう!
それが、きっと明日のだれかの助けになることを信じて……。
「いい先生」になるために、「いい人生」を!
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回紹介した【自由進度学習のつくり方 一斉授業のつくり方 樋口万太郎 著】は、こちらから購入可能です。
これからの時代の「スタンダードな授業」を模索するすべての先生に、勇気を与えてくれる一冊です。

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