【必読】「やる気」の問題じゃなかった。宮口幸治『どうしても頑張れない人たち』が教える支援の限界点

タナ先生
タナ先生

今日紹介するのは、この本!

これから学級担任として子どもたちを導く先生は、絶対に読むべき1冊です。

どうしても頑張れない人たち~ケーキの切れない非行少年たち2  宮口 幸治 著

タナ先生
タナ先生

みなさん、こんにちは。タナ先生です。 「もっと頑張りなさい」「やる気を出して」……。教室や家庭で、ついそんな言葉をかけてしまうことはありませんか? でも、本人はサボっているわけではなく、「どうしても頑張れない」状況にいるとしたらどうでしょう。

ワカバ先生
ワカバ先生

タナ先生、耳が痛いです。何度言っても宿題を忘れる子や、すぐに投げ出してしまう子を見ると、つい気持ちの問題だと思ってしまって。前作の『ケーキの切れない非行少年たち』も衝撃でしたが、今回はさらに「身近な悩み」に近い気がします。

タナ先生
タナ先生

そうだね。この本では、非行少年だけでなく、学校や職場で「不器用」とされ、埋もれていく人たちにスポットが当たっているんだ。 今日は、キャンプの「ずぶ濡れの設営」に例えて、彼らの苦しさを紐解いていこう。


1. 「頑張る」ための土台が崩れている

タナ先生
タナ先生

宮口先生は、世の中には「頑張りたくても頑張れない人」が確実に存在し、それは精神論では解決できないと指摘しているんだ。

① 「見る・聞く・想像する」力の弱さ

  • 不全感の蓄積:周囲が普通にできていることが自分にはできない。その「負け戦」を毎日繰り返すことで、心は折れてしまう。
  • 身体の不器用さ:実は運動面や手先の不器用さも、学習や自信に大きく影響している。

② 認知機能の「弱さ」と「歪み」

  • 適切な入力ができない:先生の指示が「ノイズ」にしか聞こえなかったり、黒板の文字が図形に見えたりする。これでは頑張りようがないよね。
  • 自己愛の傷つき:失敗を重ねることで「自分はダメだ」という自己否定が強まり、自己防衛のために「やらない(サボる)」という選択肢をとるようになる。

2. キャンプの「雨天・装備なし」の過酷さ

タナ先生
タナ先生

ワカバ先生、想像してみて。大雨のキャンプ場で、一人でテントを立てなきゃいけないとする。


  • 僕たち:防水のウェアを着て、立てやすいテントを持ち、手順も知っている。
  • 彼ら:Tシャツ一枚で、説明書も持たず、重くて壊れたポールを渡されている。

この状況で、横から「もっとテキパキ動きなさい!」「気合が足りないぞ!」と言われたら、どう感じるかな?

ワカバ先生
ワカバ先生

……絶望します。冷たい雨に打たれて体が震えているのに、根性を出せと言われても、手が動かないですよ。

タナ先生
タナ先生

そうだね。 これが「どうしても頑張れない人」が見ている景色なんだ。

① エネルギーの枯渇(雨に打たれるTシャツ)

彼らは、普通に生活しているだけで人一倍のエネルギーを消費している。 認知機能が弱いということは、常に「大雨の中で薄着で耐えている」状態と同じ。頑張るためのエネルギーが、生きるための維持費で使い果たされているんだ。

② 間違った道具(不適切な支援)

「もっと練習しろ(ポールを強く握れ)」という指導は、Tシャツで震えている子には届かない。 まずは雨を凌ぐタープ(安心できる環境)を張り、温かい飲み物(情緒的な受容)を渡すことが先決。装備を整えずに「走り回れ」と言うのは、酷な話なんだよ。


3. 支援の第一歩は「評価」を下ろすこと

ワカバ先生
ワカバ先生

では、私たちはどう寄り添えばいいんでしょうか?

タナ先生
タナ先生

宮口先生が説くのは、本人の能力不足を責めるのではなく、「どうすればその荷物が軽くなるか」を一緒に考えることだ。

① 「頑張れない」というSOSを受け止める

「サボっている」と見える行動を、「もう限界です」というメッセージとして捉え直す。 キャンプ場スタッフが、震えている客に毛布を渡すように、まずは「大変だったね」という共感から始めるんだ。

② 認知のトレーニング(コグトレ)の継続

前作(「ケーキの切れない非行少年たち」)同様、基礎的な認知機能を底上げするトレーニングが有効。 ただし、無理強いは禁物。小さな「できた!」を積み重ね、「自分というキャンプギア」の使い方を一緒に練習していくイメージだ。

③ 適切な環境調整

「みんなと同じテント(課題)」を強要しない。その子が今、扱えるサイズの課題に調整する。これが、教育における「ユニバーサルデザイン」だよね。


4. タナ先生の「キャンプメモ」

タナ先生
タナ先生

この本を読んで気づくのは、「頑張れる」というのは、実はとても恵まれた、奇跡のような状態だということです。

キャンプの夜、焚き火が安定して燃えるのは、薪が乾いていて、空気の通り道があるからです。 子どもたちの心も同じ。環境を整え、湿った心を温め直せば、いつか自分自身の火を灯せる日が来る。 「頑張れない」のは、あなたが悪いんじゃない。今はまだ、準備が必要なだけなんだ。 そう言ってあげられる大人でありたいですね。

 悩みは尽きませんが、まずは私たちが人生を楽しみましょう!それが、きっと明日のだれかの助けになることを信じて…。 

「いい先生」になるために、「いい人生」を!

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

今回紹介した【どうしても頑張れない人たち~ケーキの切れない非行少年たち2  宮口 幸治 著】は、こちらから購入可能です。キャンプの夜の読書に最高の一冊ですよ。

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