『個別最適な学び』『協働的な学び』のやり方が10分でわかる!教える呪縛を解く「天童中部小」の実践とは?

タナ先生
タナ先生

今日紹介するのは、この本!

学校の中核をこれから担うミドルリーダーの先生は、絶対に読むべき1冊です。


「個別最適な学びと協働的な学び」 奈須 正裕 著


タナ先生
タナ先生

みなさん、こんばんは。タナ先生です。 いよいよ、これからの教育の最大のテーマとも言える内容に踏み込みます。 それは、令和の日本型学校教育の核となる「個別最適な学びと協働的な学び」です。

ミドル先生
ミドル先生

タナ先生、待ってました!でも、このテーマって正直、理想論に聞こえちゃうんです。一人ひとりに合わせるなんて、先生の過労死を加速させるだけなんじゃないかって……。

タナ先生
タナ先生

その不安、痛いほどわかるよ。もし「個別最適」を「教師が手取り足取り合わせること」だと思ったら、それは地獄への入り口だ。 でも、奈須正裕先生が説き、天童中部小学校が証明したのは、全く逆の視点なんだ。それは、「教師が教えるのをやめ、子どもに学びを返す」ということ。

ミドル先生
ミドル先生

子どもに学びを返す……?

1. 日本型学校教育の「光」と「限界」

タナ先生
タナ先生

まず、中央教育審議会(中教審)の答申を見てみよう。日本の学校は、勉強だけでなく「人格形成」や「福祉的役割」を担ってきた。これは世界的に見ても素晴らしい強みなんだ。

ミドル先生
ミドル先生

でも、それだけじゃダメなんですよね?

タナ先生
タナ先生

そう。これまでの学校は「言われたことを、言われた通りに、みんなと同じようにできる」という、いわば知識の暗記に偏りすぎていた。 Society 5.0という、IoTがあらゆるモノにつながる社会では、「正解のない問いに立ち向かう力」が必要になるんだ。

ミドル先生
ミドル先生

コロナ禍で一斉休校になったとき、「先生がいないと何をすればいいかわからない」と立ち尽くした子どもの姿が、その限界を象徴していましたね。

2. 「個別最適な学び」の真意を解き明かす

タナ先生
タナ先生

ここで超重要な定義の話をしよう。中教審の答申には、こう書いてある。

教師視点で見ると「個に応じた指導」であり、 学習者視点で見ると「個別最適な学び」である。

ミドル先生
ミドル先生

視点が違うだけで呼び方が変わるんですか?

タナ先生
タナ先生

そう。そして「個に応じた指導」はさらに2つに分かれる。


  1. 指導の個別化:全員に基礎基本を身につけさせるために、先生が支援を調整すること。
  2. 学習の個性化:子どもの興味関心に合わせて、先生が課題に取り組む機会を提供すること。

これを子ども側から見ると、「自分で自分の学びを最適化していく(調整する)学び」になるんだよ。

ミドル先生
ミドル先生

なるほど!先生が全部合わせてあげるんじゃなくて、子ども自身が「自分に合った学び方」を選び取っていくことがゴールなんですね。

タナ先生
タナ先生

その通り!さらに、これを「孤立した学び」にしないために、他者と対話する「協働的な学び」と一体化させる。異なる考え方が組み合わさって、一人では到達できない高みへ行く。これが「令和の日本型学校教育」の理想像なんだ。


3. 天童中部小学校の「自学・自習」

タナ先生
タナ先生

「そんなの本当にできるの?」と思うよね。それを現実にしたのが、山形県天童中部小学校だ。 彼らの実践で最も衝撃的なのが、年間100時間も行われる「自学・自習」だよ。

ミドル先生
ミドル先生

自学・自習……自習時間のことですか?

タナ先生
タナ先生

いや、全く違う。「子どもが授業者になり、子どもたちだけで展開する授業」なんだ。極論、「教師は教室に居ない方が良い」とまで言われている。

ミドル先生
ミドル先生

ええっ!? 先生がいなくて、どうやって授業が進むんですか?

タナ先生
タナ先生

司会役の子が課題の下調べをして、シナリオ(スクリプト)を作るんだ。まさに「担任のマネごっこ」から始まる。 教師は事前に資料を全て提供し、相談には乗るけれど、授業中は「見る側」に徹する

ミドル先生
ミドル先生

それって、何がいいんですか?

タナ先生
タナ先生

「先生への忖度」が消えるんだよ。 子どもたちは「先生が求めている正解」を探すのをやめて、本当の意味で自分たちで議論し始める。これが、OECDも提唱する「エージェンシー(自ら責任を持って変革を起こす力)」の育成に直結するんだ。


4. マイプラン学習:自分をプロデュースする学び

タナ先生
タナ先生

さらに、学期に1〜2回行われる「マイプラン学習(単元内自由進度学習)」も凄まじい。 一単元のすべての時間を子どもに与え、自分で計画を立て、自分の判断と責任で学ぶ

ミドル先生
ミドル先生

一単元まるごと……!? 先生は何を準備するんですか?

タナ先生
タナ先生

教師の仕事は「授業をすること」から「最高の環境を整えること」にシフトする。


  • あらゆる資料、場所、タブレットを提供。
  • 「学習の手引き(ガイド)」と「ガイダンスプリント」を作成。
  • 2教科を同時進行させて、時間の使い方の工夫を促す。

ミドル先生
ミドル先生

子どもたちは混乱しませんか?

タナ先生
タナ先生

最初は戸惑う子もいる。でも、任せ続けることで、子どもたちは「自分はどんな学び方が得意か」に気づき始めるんだ。 「じっくり一人で考えたい」「まず友達と話したい」……効率的に、かつ深く学ぶ方法を自分たちで発明していく。先生が15分かけて説明していたことが、5分で終わることもあるんだよ


5. フリースタイルプロジェクト:学びの解放

タナ先生
タナ先生

そして、マイプラン学習の究極の進化形が「フリースタイルプロジェクト」だ。 ここでは学習内容までも子どもに委ねる。

ミドル先生
ミドル先生

もう、何でもありなんですね……。

タナ先生
タナ先生

そう。タブレットを文房具として使いこなし、自分の探究したいことを突き詰める。 ここで重要なのは、「教師も一人の学び手として、自分の課題に取り組む」ことだ。 先生が楽しそうに何かを調べている姿こそが、子どもたちにとって最高の手本になる。

これらすべての実践を支えるのは、技術じゃない。「子どもを徹底的に信頼する覚悟」なんだよ。

6. 近代学校の「発明」を疑う

タナ先生
タナ先生

もともと教育って、江戸時代の寺子屋のように個別指導が当たり前だったんだ。一斉指導は、明治以降に「効率よく均質な国民を育てる」ために生み出された「発明品」にすぎない。

ミドル先生
ミドル先生

みんな同じ方向を向いて、同じ速度で歩かされる。それが「雀の学校」ですね。

タナ先生
タナ先生

そう。でも、奈須先生はこう教えてくれる。


「全ての子供は生まれながらにして有能な学び手である。教師が環境さえ整えれば、子供は勝手に学ぶ。」


「わからない」「理解しない」のは子どもの責任ではなく、環境を整えきれなかった教える側の責任……そんな風に謙虚に、かつ大胆に子どもを信じてみたいと思わないかい?


7. タナ先生の考察:キャンプと学びの自立

タナ先生
タナ先生

これって、キャンプの「ブッシュクラフト(自然にある物だけで過ごす)」に似ているんだ。

ガイド(教師)が全ての道具を揃えて、「はい、次はこの紐を結んで」と指示を出すキャンプは、楽かもしれないけれど、思い出には残らないし、自分一人の力では生きていけない。

でも、不便な環境で「どうすれば暖かく過ごせるかな?」と仲間と工夫する。失敗して凍えても、それを笑い合って次の糧にする。 その過程で手に入れたスキルと自信こそが、本当の「生きる力」になるんだ。

学校も、「知識のパッケージ」を渡す場所ではなく、「知恵の出し方」を実験する場所でありたいよね。


明日から、少しだけ「教える」を休んでみませんか

ミドル先生
ミドル先生

タナ先生……僕、怖いです。でも、ワクワクもしています。 明日の算数、最初の10分だけ説明したら、あとは「みんなで自由にやってごらん」って言ってみようと思います。

タナ先生
タナ先生

素晴らしい!その10分が、子どもたちが自立した学習者へと羽ばたく最初の跳躍台になる。 一歩ずつ、教室の景色を変えていこう。


 悩みは尽きませんが、まずは私たちが人生を楽しみましょう!それが、きっと明日のだれかの助けになることを信じて…。 

「いい先生」になるために、「いい人生」を!

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

今回紹介した【「個別最適な学びと協働的な学び」 奈須 正裕 著】は、こちらから購入可能です。キャンプの夜の読書に最高の一冊ですよ。

タイトルとURLをコピーしました